トランペットの話

マティアス・ヘフスさんが東京交響楽団のソリストで演奏されたので、聞いてきました♪

マティアス・ヘフスさんが東京交響楽団のソリストで演奏させれるという事で、川崎まで聴きに行ってきました♪ 演奏したのは、ケルシェック作曲の日本初演曲『ラッパ達が鳴り響く 』と、その後ヤナーチェクの『シンフォニエッタ』で、バンダの1番トランペットを演奏されてました!

 

 

言わずと知れた、名手マティアス・ヘフスさんとは

マティアス・ヘフスさんは、長らくハンブルクのオペラハウスのオーケストラで活躍されて、現在はジャーマンブラスのトランペット奏者としての活動でとても有名です。

ヘフスさんのトランペットの魅力は、完璧なテクニックと柔らかい音色、そして何といっても温かい音楽性。本当に非の打ち所がないトランペット。僕も学生の時に初めて生で聞きましたが、その時の衝撃は今でも鮮明に覚えています‼️ とにかく何もかもが素晴らしい。彼のCDを聴いてもすごいですが、生のコンサートでも、そのクオリティは変わらず、それどころか録音では分からない音色の質感や音楽性など、録音の何十倍、何百倍も感動しました。

そんな事もあり、ヘフスさんがまた来日して公演するという情報を知ってから、今回の演奏会を聴きに行くのを心待ちにしていました。

ヘフスさんのホームページ👇
http://matthiashoefs.de/

 

教育者としてのヘフスさん

ハンブルク音楽大学で後進の指導にも当たっていて、今回共演した東響の首席トランペット奏者、佐藤友紀さんもヘフスさんのお弟子さんです。日本人のお弟子さんは他にも読売日本交響楽団の首席トランペット奏者、辻本憲一さんもいます。生徒が素晴らしい奏者ばかりで、ヘフスさんも素晴らしい演奏家で有るだけでなく、素晴らしい先生で有ることが伺えます。

以前、日本でマスタークラスをしたことがあって、聞きに行きましたが、とても勉強になりました。レッスンでたくさん演奏してくれる先生でした。生徒よりも吹いているんじゃないかというくらい。日本のマスタークラスだから、たくさん吹いてくれたのかと思いきや、ハンブルクでのレッスンもそういう感じみたいです。ぼくは昔から師事してきた先生がレッスンであまり吹かない人が多く、ちょっと羨ましい!

数年前にヘフスさんは前述した日本の2人のお弟子さん、辻本さんと佐藤さんと一緒にCDをリリースしました! ヘフスさんのソロも入っていて、とてもおすすめ。発売された直後に買って、その頃ずっと聞いてました♪

 

ヘフスさんのオーケストラとの協奏曲を初めて聴く

ヘフスさんの演奏は、ソロの演奏、ジャーマンブラスでの演奏、室内オーケストラでのソリストと何回か今まで聞いてきました。ですが、フルオーケストラをバックに演奏するヘフスさんの演奏を聴くのはこれが初めて!

ケルシェックの作品は昨年2016年の1月にもヘフスさんと東京交響楽団のコンビで『トランペット・ダンス』という作品が演奏されている様です。今回演奏される『ラッパたちが鳴り響く』は、昨年9月に世界初演され、独奏トランペット以外にも、オーケストラの中に2人のトランペット奏者、そしてバンダに3人1組のグループが3つで9人のトランペット、合計12人もトランペットが必要な大作です!! なかなかこんな曲は聞けません!題名はヘンデルの名作、メサイアの有名なバスのアリア『Trumpet shall sound (ラッパは鳴り響き)』から取られて、『Trumpets shall sond (ラッパたちは鳴り響く)』とされた様です。

ケルシェックさんはヘフスさんのために沢山の曲を書かれている様で、『トランペットアドベンチャーズ』という作品はヘフスさんがCDにしています。

 

ヘフスさんの演奏に感動

久しぶりにヘフスさんの演奏を生で聞くことができましたが、本当に素晴らしかったです。トランペットの枠を超えた演奏でした。高い音から低い音まで全くぶれない技術と、暖かい音色で流れる様なメロディー。G管トランペットから始まり、ピッコロトランペット、コルノダカッチャ、ロータリートランペットなど、様々な楽器に持ち替えていましたが、どの楽器もヘフスさんの暖かい音色が心地よく響いてきました。

オーケストラがフォルテになっても、絶対に力んだ音を出さずに、楽器を響かせておとを飛ばしている感じです。僕はどうしても大きな音が必要な時は、パワーに頼って吹いてしまうのですが、ヘフスさんはそんなことが一切なかったです。周りのオーケストラの音と調和する音で、ソリスッティクになりすぎず、でもしっかりと音は聞こえてきました。音のイメージ等、とても勉強になりました♪

 

映画音楽のようなケルシェックさんの作品

『ラッパたちは鳴り響く』は演奏時間26分もかかり、トランペットが12人も必要な大作でしたが、最初から最後まで様々な仕掛けがあり、とても面白い作品でした。映画音楽のような響で、冒頭の静かで綺麗な部分や、バンダが出てくるマーチの様なところ、バロックの様なところ、再びバンダがミュートをつけて登場する神秘的な音楽と進み、最後はトランペット12人全員が全員オーケストラの前で1列になり、オーケストラとのトゥッティでファンファーレを吹いて締めくくりました!!

トランペットの作品は沢山ありますが、この曲を聞くことはなかなかないと思うので、貴重な体験となりました。世の中にはまだまだ僕の知らない素敵な作品、作曲家が沢山いますね! 演奏会というのはそういう作品や作曲家との出会いの場でもあるのだと改めて実感しました!

 

コンサートの最後はシンフォニエッタ

ケルシェックさんはシンフォニエッタの編成を意識したのかしていないのか。ヤナーチェクの『シンフォニエッタ』も同じく12本のトランペットを必要とする作品。1楽章が金管とティンパニだけなので、金管奏者には有名な曲だと思いますが、オーケストラ作品として全部を聞くのは初めてでした。

ヘフスさんはバンダの1番を吹かれていて、シンフォニエッタも素晴らしい演奏を聞くことができました。すごく派手なイメージのあった曲ですが、ヘフスさんはとても綺麗で滑らかに、きめ細やかで繊細な演奏でした。バンダのみなさんが、トランペットの1番のヘフスさんに寄り添う様に演奏されていて、全体に透明感のある響で、とてもキレイでした♪ 一緒に演奏してみたかった〜〜(涙)

 

 

ヘフスさんの演奏で気づいたヨーロッパの金管奏者に共通するもの

3日間のイエルーンさんとのプロジェクト、そしてヘフスさんの演奏会と、すばらいしい奏者と接した1週間でした。その中で気づいた、というか忘れていて思い出した、ヨーロッパの金管奏者共通して持っていて、日本人にあまり無いもの。それは、

クリアな発音

です。みなさん、音が出る前に「p」の音がきこえます。タンギングの「t」の音とはちょっと違うのですが、唇が振動し始めるときに聞こえる音です。留学から帰ってきたときに、結構発音が違うな〜と思ったのですが、思い出しました。 ヘフスさんの演奏をYouTubeなどで見ても、その発音は感じることができます。

しっかりとクリアに発音するのを、意識してしばらく基礎練してみようと思います♪